「目には青葉 初鰹 山ほととぎす」
目にも鮮やかな「青葉」、美しい鳴き声の「ほととぎす」、食べて美味しい「初かつお」
そして、若葉色の丸々っと肥えた「青い梅の実!」 さあ、青梅を漬ける季節となりました。
梅は、冬の間寒さにじっと耐え、極寒の2月頃に楚々と可憐な花を咲かせます。一年の内で一番初めに咲く花とされ「百花のさきがけ」「百花の長」「梅の兄」と呼ばれます。梅の中でも、いち早く咲くのが白梅です。
白隠禅師(禅僧)の『般若心経毒語註』の一節に「寒さに苦しんできた梅が春雨にあって硬く閉ざしていた蕾を開いた。その上に、薄月が照ってそよ風が吹き、更にそれがふくよかな梅の香りを伝える。昨日までは雪に埋まっていた木だったが、今日はもう枝に花をつけている。ここまでくるには随分と苦労があった。そして、百花にさきがけて一番先に梅は咲いている。」と詠んでいます。
茶道では梅の花を珍重しますが、その凛とした風格を愛でると同時に、厳寒を耐え忍んできた力強い風情を尊ぶからです。
もともと梅は中国原産の花木で、百花のさきがけであること、生命のしるしであること、高潔で清楚な美しさを持つことから、
歳寒三友(さいかんさんゆう)・・・松、竹、梅 四君子(しくんし)・・・欄、竹、菊、梅 三清(さんせい)・・・梅、竹、水仙 に挙げられています。いづれも中国に由来します。
私の実家にある梅も白梅で、白く小さい花で地味なのですが、可憐さがゆえに返って高貴さを真に感じます。これは、わたくし自らの感想なのですが、既に遥か古来の中国人も梅を愛でては同じことを感じていたのですね~。
さて、白梅の木に目をやると、あの可憐だった花が、5月に入りなんと丸々っとした実に膨らんでいます。見上げて目を凝らすと、青い葉っぱの影に、あるわあるわ!たわわに実が成り、あちらの枝こちらの枝に青い実をぶら下げます。
こんな梅の様子を見ると、可憐な花が豊満な実へと変わった驚きと豊作の嬉しさを感じ、自然の恵みに自ずと感謝せざるを得ません、合掌。「神様、仏様、お父さん、ありがとう!」
さあ、前口上はこれくらいにして、そろそろ梅を漬けようではありませんか。
◎材料 ・青梅 2㎏ ・ホワイトリカー1.8ℓ2本 ・氷砂糖 2㎏
◎下準備 保存ビンは熱湯消毒
◎作り方 青梅を水洗いして乾かし、竹串でヘタを取る。 梅と氷砂糖を交互に入れて、ホワイトリカーを注ぎ入れる
◎出来上がり 3ヶ月経つと飲める。 更に1年、2年と寝かせると超美味しくなる!
これは、平成31年物です。熟成して良い香りと味を出ていて、ついついおかわりが進みます。
これは、梅シロップです。お酒ではないので、水で薄めて梅ジュースにして飲みます。加工品と違って自然の物なので、真夏の暑い時、渇いた喉に疲れた体にすうっと染み渡りいっぺんで元気が出ます。
カリン酒・イチゴ酒も漬けました!
R元年に漬けたカリン酒もあります。良い香りがして、色もきれいな琥珀色、味もどんどん良くなっています。残りわずか~、もっと熟成させれば美味しくなるのだろうけど、それまで飲まずに我慢できない~。
イチゴも初めて漬けてみました。現在、約半月経っていて、イチゴの赤味がホワイトリカーの方に移りきれいな赤色になっています。どれどれちょっと飲んでみましょうか!「ん!おいしい~!香りもいい~!まだ、ホワイトリカーの味が強いけど、時間が経てば良い味が期待できそう。楽しみ楽しみ!」
こうして、かんげつママの自家製アルコール生活は続くのであります。
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